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6月、米国アリゾナ州フェニックスで本年度のHLAA(全米難聴者協会)の年次大会が開催され、聴覚健康に関する革新的な技術が数多く紹介されました。HLAAはこの分野では最大規模の大会で、業界のエキスパートや技術者が一堂に会し、聴覚ケアや聴覚補助技術に関する最新の進歩を披露しました。 本年の大会で特に注目を集めたのが、AuracastTM ブロードキャスト オーディオでした。昨年のHLAAでも人気を博したこの新しいBluetooth機能は、MWC(モバイルワールドコングレス)、COMPUTEX、CESなど他の主要イベントでも大きな反響を呼んでいました。そのため、AuracastTM関連の製品やソリューションがHLAA 2024でも引き続き高い関心を集めたのは、驚くべき事ではありませんでした。 革新的な聴覚補助技術 AuracastTM ブロードキャスト オーディオは無制限の数のユーザーに向けて同時にオーディオストリームをブロードキャストできるBluetoothの新機能です。多くのアナリストは、この技術が今後数年で公共の場での音声を聞く方法に革命をもたらすと予想しています。AuracastTM ブロードキャスト オーディオにより、オーディオ共有、公共の場にあるテレビのミュート解除、そして、どこにいても最高の音で聴くことが可能になります。 例えば、カンファレンスに参加した際、自分のイヤホンや補聴器を使い、周囲の何千人もの人の雑音をかき消すようなクリアな高音質の音声で講演者の話を直接聞くことができるようになります。本年のHLAA参加者は、まさにこの体験をする機会を得ました。 HLAA 2024の AuracastTMワークショップ HLAA 2024では様々な革新的オーディオ技術が紹介される中、参加者がAuracastTM ブロードキャスト オーディオを実際に体験できる、対話型ワークショップ「Keeping Up…

現代の急速に進化する技術環境において、アクセシビリティ向上への可能性の扉を開く革新的ソリューションの融合は、これまで以上に重要です。補聴器業界のリーダーであるGNヒアリングジャパンは、Bluetooth®技術を活用して、難聴者の生活を変革する開発の最前線に立ち続けています。 Auracast™ ブロードキャスト オーディオを活用した補聴器ソリューションの開発に対する貢献と、この新技術が難聴者と周囲の世界との関わり方にいかに変化をもたらすかについて、同社プロダクトマネージャーの大久保淳さんにお話を伺いました。 Q: Auracast™ ブロードキャスト オーディオの開発にはどのような形で関わられましたか? GNは、補聴器業界におけるBluetooth®接続のパイオニアとして貢献してきました。2010年にはダイレクトワイヤレスを搭載した補聴器を発表し、補聴器ユーザーが煩わしい首かけ型製品を装着する必要性をなくしました。その後もBluetooth Low Energy (LE)と連携し、MFiやアンドロイドで音声をストリーミングする独自のプロトコルを開発し、電話と補聴器のダイレクト接続を実現しました。 しかし間もなく、業界標準の確立が、簡素化や、不利な立場に置かれた補聴器ユーザーにとっての導入障壁を取り除くために役立つことが明らかになりました。アクセシビリティの向上だけでなく、より広いコミュニティのためにも業界標準プロトコルの可能性を見出したGNは、Bluetooth Special Interest Group(SIG)内の補聴器ワーキンググループの設立を支援しました。それ以来、GNはBluetooth LE Audioの開発において主導的な役割を果たしています。 Q: 消費者が現在経験している補聴器に関する課題はどのようなもので、Auracast™…